2013'11.13.Wed
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「僕と組まない?」
孫を見やる好々爺そのものの笑みを満面に老いた役人はさらりと言ってのける。
「僕のたのみを聞いてくれるなら、僕から情報をわたすし仕事もしやすくしてあげる。当然、今のゴタゴタも丸く収めてあげよう。悪い話じゃないよね」
男の肩の上にうずくまるオウムが相槌を打つように頭を振る。さらに笑みを大きくした男が萎びた指でオウムの喉元をかいてやると大柄な鳥は羽毛を膨らませてグゥグゥと喉をふるわせた。
ムスタファはベールの下で唇を噛む。これはどういう仕掛けだ?
砂漠の民(バドゥ)らしくベールと衣に大きく風を含ませて己を誇示し、鋭いまなざしと今にも柄に手をかけかねない様で威嚇しつづける青年を、役人は面白げに見下ろすばかりだ。
引き時を誤ったか? 族長(シャイフ)と共に集落(ダール)へ戻るべきだったか。故郷(ハムーラ)を捨ておいて? いや、それはできない。父と兄を失った家(ハムーラ)はムスタファを必要としている。
黙りこくったままの青年へ男はさらに言葉を重ねる。
「僕ね、面倒くさい持って回った話が苦手だからはっきり言っちゃうけど。君さ、かなりマズイ状態なんだよね。もう仇を討ち果たしたとか思ってるでしょ? 実は違うんだ」
言葉を切った男の顔から初めて笑みが薄れた。
「まだ終わっていない、それどころか始まっちゃったと言うべきなんだ。まいっちゃうよね」
はぁ、とため息を一つつくと男は再び満面の笑みを浮かべる。「また来るよ、それまで死なないでいてくれると助かるんだけどね」
答えを待とうともせず、役人はラクダの首をめぐらせるとガラクタの散らばる石畳を越えて門の向こうへと去っていった。
「……ムスタファ?」
役人が立ち去るのを待っていたのか、いくつものか細い声が青年の名を呼ぶ。焼け残った建物の戸口にかけられた覆いの隙間から老婆と子供の泣きはらして怯えきった顔がのぞいている。
不吉な言葉が耳に残るが今は家を、一族が守ってきたオアシスを守り立て直すのが先だ。生き残りの数と損失を確かめなくては。
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ジャファールのカードを引いて話を読んでから…とか思ってたら一生無理なので勝手設定のまま書き始めたっす。
なんか書きやすかったのでムスタファ20歳ぐらいの頃の話からスタート。
カリファはプラス20歳ぐらいかなーと思うものの、中年って言葉が壮年と混ざってる気がして使いづらくてつらい;
なので見た目が老けていて、実年齢を知られるたびに「若いんだよ僕」って言うことになりそう。オウムの年齢は謎。てか名前が知りたい。
ジャファールはマイナス10~15歳かな。まだまだ子供で鷹との出会い前。鷹はベタにシムーンって名前になりそう。
ファラさんはマイナス20歳以上だろうから、この時点ではまだ存在してないか。
カッコつきでカタガナ名が羅列になっているのは資料メモも兼ねてるので許されよ。
きちんと描写できるのなら、ああいうのはいらんのだけどね。
あと以前はフードとマントって書いてたんだけれど、アチラについて書いてある本だと被り物は男でも「ベール」と書いてあるんで、女物の印象が強くて違和感があるけれどベールで統一しようかと。
ジャンビア持たせたいけどどうしよう。地域がズレるみたいなんだけどカッコイイから大好きなんだよなー。
その他、ムスタファの勝手な設定は以下の通り。
数百年前?の賢王時代に灌漑事業で建造された複数のオアシスの1つを守ってきた一族の次男か三男坊。場所は湖都から遠からず近からず(はっきり決めてない)。
オアシスの定住一族の出なので本来なら職人なり商人なりに弟子入りでもして、都市で一生を過ごすはずだったのだが、子供の頃からアクティブすぎて悪戯上等、家畜を追い掛け回すわ、キャラバンにちょっかい出したり盗んでみたりと問題児。
そのうち、キャラバンにくっついて勝手に砂漠まで行くようになり、放牧民(バドゥ)の集落まわりで勝手に生活しようとしはじめる有様。
呆れた父親は、先方の放牧民の族長に土産を渡して話を付けて養子に出す(ムスタファは知らない)。
ありがたいことに遊牧民の族長は懐の広い世話好きだったので、バドゥとして生きる術やしきたりを教えてくれ、ムスタファは遊牧民の1人として育つ。
(世話好きだが決して甘くはない。砂漠を舐めるヤツは死ね、が鉄則だし)
駱駝を乗りこなし、剣術と格闘を学び、足りないものは取ってくる(盗るもアリ)精神を叩き込まれ(w)、そろそろ自分の駱駝を選んで嫁さん探しかなー?って頃に、実家のオアシスが別の遊牧民(強盗に偏った一族)の襲撃を受けて壊滅状態になる。
ってな感じ。
普段は砂漠の井戸で足りている遊牧民にとってもオアシスは命綱で、たまにかっぱらいをやらかすぐらいはあっても、オアシスの一族を根絶やしにする勢いで襲うなんてことは論外なのに、どうしてこんなことが起こったのか?って所にカリファが絡むって筋。
ちなみに、オアシスからたどり着いた瀕死の生き残りからの知らせを聞いたムスタファと、世話になっている遊牧民の騎士(騎士とは言っても駱駝乗りの戦士の意味で、強盗だってやっちゃうぜー)が実行犯の一族を怒涛の勢いで攻めて根絶やしにしてたりする。
どうも前々から恨みを買ってたっぽいが、それにしても恐ぇなコイツら;
王都の騎士団と、町の騎士と、砂漠の騎士は全然ちがう代物なんだよな。
今のなやみはジャファールの年齢と、族長の息子にするかどうか。安易すぎるよなぁ息子は。
あー妄想楽しい(w
「僕と組まない?」
孫を見やる好々爺そのものの笑みを満面に老いた役人はさらりと言ってのける。
「僕のたのみを聞いてくれるなら、僕から情報をわたすし仕事もしやすくしてあげる。当然、今のゴタゴタも丸く収めてあげよう。悪い話じゃないよね」
男の肩の上にうずくまるオウムが相槌を打つように頭を振る。さらに笑みを大きくした男が萎びた指でオウムの喉元をかいてやると大柄な鳥は羽毛を膨らませてグゥグゥと喉をふるわせた。
ムスタファはベールの下で唇を噛む。これはどういう仕掛けだ?
砂漠の民(バドゥ)らしくベールと衣に大きく風を含ませて己を誇示し、鋭いまなざしと今にも柄に手をかけかねない様で威嚇しつづける青年を、役人は面白げに見下ろすばかりだ。
引き時を誤ったか? 族長(シャイフ)と共に集落(ダール)へ戻るべきだったか。故郷(ハムーラ)を捨ておいて? いや、それはできない。父と兄を失った家(ハムーラ)はムスタファを必要としている。
黙りこくったままの青年へ男はさらに言葉を重ねる。
「僕ね、面倒くさい持って回った話が苦手だからはっきり言っちゃうけど。君さ、かなりマズイ状態なんだよね。もう仇を討ち果たしたとか思ってるでしょ? 実は違うんだ」
言葉を切った男の顔から初めて笑みが薄れた。
「まだ終わっていない、それどころか始まっちゃったと言うべきなんだ。まいっちゃうよね」
はぁ、とため息を一つつくと男は再び満面の笑みを浮かべる。「また来るよ、それまで死なないでいてくれると助かるんだけどね」
答えを待とうともせず、役人はラクダの首をめぐらせるとガラクタの散らばる石畳を越えて門の向こうへと去っていった。
「……ムスタファ?」
役人が立ち去るのを待っていたのか、いくつものか細い声が青年の名を呼ぶ。焼け残った建物の戸口にかけられた覆いの隙間から老婆と子供の泣きはらして怯えきった顔がのぞいている。
不吉な言葉が耳に残るが今は家を、一族が守ってきたオアシスを守り立て直すのが先だ。生き残りの数と損失を確かめなくては。
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ジャファールのカードを引いて話を読んでから…とか思ってたら一生無理なので勝手設定のまま書き始めたっす。
なんか書きやすかったのでムスタファ20歳ぐらいの頃の話からスタート。
カリファはプラス20歳ぐらいかなーと思うものの、中年って言葉が壮年と混ざってる気がして使いづらくてつらい;
なので見た目が老けていて、実年齢を知られるたびに「若いんだよ僕」って言うことになりそう。オウムの年齢は謎。てか名前が知りたい。
ジャファールはマイナス10~15歳かな。まだまだ子供で鷹との出会い前。鷹はベタにシムーンって名前になりそう。
ファラさんはマイナス20歳以上だろうから、この時点ではまだ存在してないか。
カッコつきでカタガナ名が羅列になっているのは資料メモも兼ねてるので許されよ。
きちんと描写できるのなら、ああいうのはいらんのだけどね。
あと以前はフードとマントって書いてたんだけれど、アチラについて書いてある本だと被り物は男でも「ベール」と書いてあるんで、女物の印象が強くて違和感があるけれどベールで統一しようかと。
ジャンビア持たせたいけどどうしよう。地域がズレるみたいなんだけどカッコイイから大好きなんだよなー。
その他、ムスタファの勝手な設定は以下の通り。
数百年前?の賢王時代に灌漑事業で建造された複数のオアシスの1つを守ってきた一族の次男か三男坊。場所は湖都から遠からず近からず(はっきり決めてない)。
オアシスの定住一族の出なので本来なら職人なり商人なりに弟子入りでもして、都市で一生を過ごすはずだったのだが、子供の頃からアクティブすぎて悪戯上等、家畜を追い掛け回すわ、キャラバンにちょっかい出したり盗んでみたりと問題児。
そのうち、キャラバンにくっついて勝手に砂漠まで行くようになり、放牧民(バドゥ)の集落まわりで勝手に生活しようとしはじめる有様。
呆れた父親は、先方の放牧民の族長に土産を渡して話を付けて養子に出す(ムスタファは知らない)。
ありがたいことに遊牧民の族長は懐の広い世話好きだったので、バドゥとして生きる術やしきたりを教えてくれ、ムスタファは遊牧民の1人として育つ。
(世話好きだが決して甘くはない。砂漠を舐めるヤツは死ね、が鉄則だし)
駱駝を乗りこなし、剣術と格闘を学び、足りないものは取ってくる(盗るもアリ)精神を叩き込まれ(w)、そろそろ自分の駱駝を選んで嫁さん探しかなー?って頃に、実家のオアシスが別の遊牧民(強盗に偏った一族)の襲撃を受けて壊滅状態になる。
ってな感じ。
普段は砂漠の井戸で足りている遊牧民にとってもオアシスは命綱で、たまにかっぱらいをやらかすぐらいはあっても、オアシスの一族を根絶やしにする勢いで襲うなんてことは論外なのに、どうしてこんなことが起こったのか?って所にカリファが絡むって筋。
ちなみに、オアシスからたどり着いた瀕死の生き残りからの知らせを聞いたムスタファと、世話になっている遊牧民の騎士(騎士とは言っても駱駝乗りの戦士の意味で、強盗だってやっちゃうぜー)が実行犯の一族を怒涛の勢いで攻めて根絶やしにしてたりする。
どうも前々から恨みを買ってたっぽいが、それにしても恐ぇなコイツら;
王都の騎士団と、町の騎士と、砂漠の騎士は全然ちがう代物なんだよな。
今のなやみはジャファールの年齢と、族長の息子にするかどうか。安易すぎるよなぁ息子は。
あー妄想楽しい(w
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