2009'06.06.Sat
相変わらず小説の形態にならない駄文デス。
おまけに、妄想大暴走路線デス。
くれぐれも本編設定と混ぜこぜになさりませんよう…… orz
おまけに、妄想大暴走路線デス。
くれぐれも本編設定と混ぜこぜになさりませんよう…… orz
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「ヴェーネス、問いたいことがある」
その声に、中空をただよう影は人に似た形を取ることで会話に応じる意思があることを伝えてくる。
幅広の作業机の上で一心にペンを走らせつつ、シドは言葉を続ける。
「魔石…クリスタルとは何だ? 何故、あのような場所に、星すら砕くほどの“力”があるのだ?」
『不思議か?』
影から放たれるのは穏やかな女性じみた声。影は空中を流れてシドの手元に近寄る。
キシキシと小さな音をたてながらペン先が描きだしているのは、宙に浮かぶ足場の連なりと、その先にそびえる岩の塊。
ギルウェガンの深部に眠る“クリスタル・グランデ”
小さな紙の上に走り書きされたそれは、何も知らぬものが見たところで、本物の巨大さに思い至ることはできないだろう。
ここ、帝都アルケイディスで最高層を誇る皇帝宮をもしのぐであろう巨大な“クリスタル”、それが“クリスタル・グランデ”
イヴァリースの足下、はるか地底に存在する輝ける宝。
「不思議だ。どう考えても謎じゃよ。“アレ”を解放すれば、この大地を…星を砕くのもたやすい。それほどの結晶体が、どうして存在している? それもあのような偏った場所に?」
『自然は時に驚きをもたらす。君の言葉ではないのか?』
「ヴェーネス、あんたからすれば、わしらヒュムなぞは赤子も同然じゃろう。だがな、この頭でっかちの生き物は、物事の理については多少なりとも解き明かしておる。あの巨大なクリスタルが星の中核にあるのなら疑問に思わんよ。せめて未晶石の層に覆われて埋もれているのなら不自然ではなかったろう。だが、なんだねあの空間は? あれは自然のものではない。なんらかの意思が働いた場所だ。あんたらオキューリアがあの空間をつくりだしたのかも知れん、だが、それならばなおのこと、あの巨大なクリスタルもあんたたちが創造したのか? どこからあれだけの“力”を、あんな不安定な場所に結晶させたのか、知りたくてならんわい」
『では、君はどう考えているのだ?』
答えの代わりに新たな問いかけを返されて、ペンの動きを止めたシドは目を丸くして“影”を見上げていたが、苦笑いと共に肩をすくめると、皿にペンを戻した。
「まったく、あんたはいい教師じゃな。よかろう、わしが思いつく理由は2つ。一つ目は何らかの原因によって現在の場所で精錬された可能性。二つ目は他所にあったクリスタルがあの場所へ埋設された可能性だ。精錬した方法も素材も目的もわからんが、ずいぶんと膨大な力が費やされたことだろう。わしらが暮らすこの世界に、それだけの力があったのかどうか、疑問は尽きん」
椅子に背をあずけたシドは痛みに顔をしかめる。ギルウェガンからの逃走時に負った傷が癒えきっていないのか、かばうそぶりを見せたが、気づかわしげに近づくヴェーネスへ「大丈夫だ」と笑みを見せる。
改めて体を落ち着かせたシドは、壁の一画に貼られた、メモやピンで埋もれつつある古ぼけた世界地図を指差す。
「それに、リドルアナの東にある大陥没はいつどうやって出来たのか? 学者どもを長年悩ませている驚異だが、あれも自然の造形とは考えにくい。もしや天から降ったクリスタルが大地に穿(うが)ったものではないのか?」
『そうだとしたら?』
「ヴェーネス、オキューリアとはどこから来た種だ?」
軽く言い放ったシドだったが、その表情からは笑みが消えうせ、瞳には刃の鋭さが宿る。
「あんたらはどこから来た? ここ(イヴァリース)で何をした?」
『知ってどうするのだ?』
「知らねばならん。敵対する者のことを知らずに戦なぞ起こせるか」
『理解せずとも戦いはできる』
「圧倒的な力で押しつぶすならばな。オキューリアの流儀はそれか?」
実体を持つ者と、実体を持たない者の間に沈黙がおりる。キリキリと張りつめられていく空気を破ったのは“影”側だった。
『我らはこの地で生誕した種ではない。漂着者だ』
ヴェーネスの瞳を思わせる2つの光点が、とまどうかのように緩やかな明滅を繰り返す。
『当時、私は存在していなかった。だから“種の記憶”に残されているデータで知るだけだが、クリスタルに守られるまま、この地に漂着した我々は、意図せずしてこの地に住む生命体に影響をおよぼしてしまった』
「ミストは原始の世界には存在しなかったのだな」
『そうだと考えられる。クリスタルは星にミストを放ち、今のイヴァリースを創りだしてしまった』
「それだけならば良かったのだがな……クリスタルをもたらしたアンタたちは、己こそが創造主だと錯覚したわけか」
『そうだ。すべてが自由になる世界を目の前にして、我らは歯止めを失っていた。神として祭り上げられる快感に酔ったとも言える』
「まぁ、わからんでもない。だがわしらは進化し知恵と力を身につけた」
『今にして思えば、レイスウォールがそれを教えてくれていたのだ。彼は破魔石という力を策に変えて統一をなしとげた。あの時から人類は神を不要としていたのだろう』
「介入するのではなく見守るだけの存在にならねばならん。だがそのような引退を望んでおらんのだな」
『オキューリアこそが真の支配者である……ゲルンは否定するだろうが、事実はそれでしかない』
「破魔石が地表に生まれ、人に欲がある限り、神々の誘惑は断てん」
ヴェーネスから外れた視線が、さきほどまで描いていたクリスタル・グランデの絵の上で止まる。榛緑色の瞳に宿っていた厳しさが悲しみの色にとって変わられ、目を伏せたシドはゆるゆると首を振った。
「あれは実に美しい石じゃった。大灯台にあると言う“天陽の繭”もさぞかし麗しいことだろう。それを……砕かねばならんとは」
初老の機工師はまるで自分自身に問いかけるかのように、厚みのある己の掌に語りかける。
「ミストを断てば、この地に何が起こるかわからん。ミストによって支えられている我ら自身の存亡も危ういやも知れん。それでも……成さねばならんか」
『シド、迷うなら負う必要はない』
「知らぬふりをしろと言うのか?! 第一、あんたはどうなる?」
『消えゆくだろう。だが、予想の範疇だ』
「馬鹿を言うでない! あんたが命をかけて託してくれたものを、己を惜しんで無にはせん! どのみち先は知れておる。20年ばかりの寿命で自由が買えるなら安いわい」
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唐突に始まり、唐突に終わる。毎度ですが;
ミストが消えたら、きっとヒュム以外の種族は滅んでしまうのでしょうな…。
アッと言う間なのか、ゆるゆるとなのかは不明ですが。
FFT時点で異種族が居なくなっているんだからなぁ。寂しい話だ。
「ヴェーネス、問いたいことがある」
その声に、中空をただよう影は人に似た形を取ることで会話に応じる意思があることを伝えてくる。
幅広の作業机の上で一心にペンを走らせつつ、シドは言葉を続ける。
「魔石…クリスタルとは何だ? 何故、あのような場所に、星すら砕くほどの“力”があるのだ?」
『不思議か?』
影から放たれるのは穏やかな女性じみた声。影は空中を流れてシドの手元に近寄る。
キシキシと小さな音をたてながらペン先が描きだしているのは、宙に浮かぶ足場の連なりと、その先にそびえる岩の塊。
ギルウェガンの深部に眠る“クリスタル・グランデ”
小さな紙の上に走り書きされたそれは、何も知らぬものが見たところで、本物の巨大さに思い至ることはできないだろう。
ここ、帝都アルケイディスで最高層を誇る皇帝宮をもしのぐであろう巨大な“クリスタル”、それが“クリスタル・グランデ”
イヴァリースの足下、はるか地底に存在する輝ける宝。
「不思議だ。どう考えても謎じゃよ。“アレ”を解放すれば、この大地を…星を砕くのもたやすい。それほどの結晶体が、どうして存在している? それもあのような偏った場所に?」
『自然は時に驚きをもたらす。君の言葉ではないのか?』
「ヴェーネス、あんたからすれば、わしらヒュムなぞは赤子も同然じゃろう。だがな、この頭でっかちの生き物は、物事の理については多少なりとも解き明かしておる。あの巨大なクリスタルが星の中核にあるのなら疑問に思わんよ。せめて未晶石の層に覆われて埋もれているのなら不自然ではなかったろう。だが、なんだねあの空間は? あれは自然のものではない。なんらかの意思が働いた場所だ。あんたらオキューリアがあの空間をつくりだしたのかも知れん、だが、それならばなおのこと、あの巨大なクリスタルもあんたたちが創造したのか? どこからあれだけの“力”を、あんな不安定な場所に結晶させたのか、知りたくてならんわい」
『では、君はどう考えているのだ?』
答えの代わりに新たな問いかけを返されて、ペンの動きを止めたシドは目を丸くして“影”を見上げていたが、苦笑いと共に肩をすくめると、皿にペンを戻した。
「まったく、あんたはいい教師じゃな。よかろう、わしが思いつく理由は2つ。一つ目は何らかの原因によって現在の場所で精錬された可能性。二つ目は他所にあったクリスタルがあの場所へ埋設された可能性だ。精錬した方法も素材も目的もわからんが、ずいぶんと膨大な力が費やされたことだろう。わしらが暮らすこの世界に、それだけの力があったのかどうか、疑問は尽きん」
椅子に背をあずけたシドは痛みに顔をしかめる。ギルウェガンからの逃走時に負った傷が癒えきっていないのか、かばうそぶりを見せたが、気づかわしげに近づくヴェーネスへ「大丈夫だ」と笑みを見せる。
改めて体を落ち着かせたシドは、壁の一画に貼られた、メモやピンで埋もれつつある古ぼけた世界地図を指差す。
「それに、リドルアナの東にある大陥没はいつどうやって出来たのか? 学者どもを長年悩ませている驚異だが、あれも自然の造形とは考えにくい。もしや天から降ったクリスタルが大地に穿(うが)ったものではないのか?」
『そうだとしたら?』
「ヴェーネス、オキューリアとはどこから来た種だ?」
軽く言い放ったシドだったが、その表情からは笑みが消えうせ、瞳には刃の鋭さが宿る。
「あんたらはどこから来た? ここ(イヴァリース)で何をした?」
『知ってどうするのだ?』
「知らねばならん。敵対する者のことを知らずに戦なぞ起こせるか」
『理解せずとも戦いはできる』
「圧倒的な力で押しつぶすならばな。オキューリアの流儀はそれか?」
実体を持つ者と、実体を持たない者の間に沈黙がおりる。キリキリと張りつめられていく空気を破ったのは“影”側だった。
『我らはこの地で生誕した種ではない。漂着者だ』
ヴェーネスの瞳を思わせる2つの光点が、とまどうかのように緩やかな明滅を繰り返す。
『当時、私は存在していなかった。だから“種の記憶”に残されているデータで知るだけだが、クリスタルに守られるまま、この地に漂着した我々は、意図せずしてこの地に住む生命体に影響をおよぼしてしまった』
「ミストは原始の世界には存在しなかったのだな」
『そうだと考えられる。クリスタルは星にミストを放ち、今のイヴァリースを創りだしてしまった』
「それだけならば良かったのだがな……クリスタルをもたらしたアンタたちは、己こそが創造主だと錯覚したわけか」
『そうだ。すべてが自由になる世界を目の前にして、我らは歯止めを失っていた。神として祭り上げられる快感に酔ったとも言える』
「まぁ、わからんでもない。だがわしらは進化し知恵と力を身につけた」
『今にして思えば、レイスウォールがそれを教えてくれていたのだ。彼は破魔石という力を策に変えて統一をなしとげた。あの時から人類は神を不要としていたのだろう』
「介入するのではなく見守るだけの存在にならねばならん。だがそのような引退を望んでおらんのだな」
『オキューリアこそが真の支配者である……ゲルンは否定するだろうが、事実はそれでしかない』
「破魔石が地表に生まれ、人に欲がある限り、神々の誘惑は断てん」
ヴェーネスから外れた視線が、さきほどまで描いていたクリスタル・グランデの絵の上で止まる。榛緑色の瞳に宿っていた厳しさが悲しみの色にとって変わられ、目を伏せたシドはゆるゆると首を振った。
「あれは実に美しい石じゃった。大灯台にあると言う“天陽の繭”もさぞかし麗しいことだろう。それを……砕かねばならんとは」
初老の機工師はまるで自分自身に問いかけるかのように、厚みのある己の掌に語りかける。
「ミストを断てば、この地に何が起こるかわからん。ミストによって支えられている我ら自身の存亡も危ういやも知れん。それでも……成さねばならんか」
『シド、迷うなら負う必要はない』
「知らぬふりをしろと言うのか?! 第一、あんたはどうなる?」
『消えゆくだろう。だが、予想の範疇だ』
「馬鹿を言うでない! あんたが命をかけて託してくれたものを、己を惜しんで無にはせん! どのみち先は知れておる。20年ばかりの寿命で自由が買えるなら安いわい」
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唐突に始まり、唐突に終わる。毎度ですが;
ミストが消えたら、きっとヒュム以外の種族は滅んでしまうのでしょうな…。
アッと言う間なのか、ゆるゆるとなのかは不明ですが。
FFT時点で異種族が居なくなっているんだからなぁ。寂しい話だ。
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