やっと観てきた

【アリス イン ワンダーランド】、前売り券を買っておきながら、やっと今日観てきたですよ。
チェシャ猫いいっスねぇ～、帽子をもふもふしてる前足の動きや、尾の細かな表情に萌えとりましたよ（ｗ

…それ以外についてはネタバレ込みなので畳みますよ。

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う～ん、「鎧」に「剣」に「救世主」ってのが出てきた時点で感じてたヤバさが、そのまま直撃した感じっす；
正直、あのシナリオでよく通したなぁ～と不思議な気分。
いまどき、あんなプロットでシナリオ（小説）を上げたら、「こんな古臭くて捻りも驚きも無い作品では困ります」と即効ボツ食らうぞ；
なんか、ファンタジー物が流行り始めた頃に腐るほど書かれた、「現代に暮らす少女がはずみでファンタジー世界に放り込まれ、苦難を乗り越えて成長して帰る」パターンそのまま。
まぁ、この黄金パターンの古いプロットでも、世界観が独特だったり、成長の度合いがハンパなかったり、どんでん返しが待ち受けてたりすれば「へぇ～」と感心して楽しめるんだけど……。

ポイントごとのイベントや、見せ場のシーンとかはいい感じなのに、その間がヌルイ単調で驚きも何もない移動シーンばかりでつながっていて、キャラクターたちの言動も上滑り。
何より気になったのが「笑い」が無い。
ベタな笑いも、ウィットもブラックも無し。あるのはヒステリーじみた笑いと、安物の愛憎劇。
最重要キャラであるはずの、赤の女王のキャラが薄い薄い；
正直、なんだってあんなに憎まれ恐れられているのか判らなかったもんなぁ；
原作を知っていれば…ってのはあるかも知れないけれど、それにしたって最後にあんな罰を受けるだけの「悪」が作中に描写されてないのはな～。

いや、まぁ、描写はあったと言えばあった…けど、全部「やっちゃった後」で、劇中では豚の腹に足のせてたり、クロケットやったり、つまみ食いした部下を叱り飛ばしたり、で、一番えぐい「おたまじゃくしを食べる」もセリフだけ。
せめて食べ終わって満足しちゃってるシーンや、犬の家族をいびってるシーンのひとつでも挟めばよかったのに、なぜか生ぬるい描写のみなので「嫌なヤツ」の前に「かわいそうな人」が先に立っちゃったんだよな orz

かわいそうといえば、あのハートのJのヘタレっぷりはどうにかならんかったのか？！ orz
他キャラがコミカルな感じの中、一人シリアスな見た目だってこともあって、極悪非道で実はラスボス的キャラかと期待してたら、ものすげーーーーーー小物。
おかげで怖くないったらありゃしない（ｗ
特にあの、愛してるだの惚れただのは止めるべきだった。

ジャバも最後の最後まで出てこないから怖さが伝わってこなかったし、スナッチはああだし、鳥は頑張ってたけど所詮鳥だし、兵士は自意識のない殺戮兵器系かと思ってたのに、なんか最後は……だし。

アリス自身も、気が強いのかと思えば流されるまんまだったりと、どうもチグハグ。
まだ最初は無気力で言いなりなのが、途中でブチンと切れて自分の力でなんとかするキャラになって、暦なんか知ったこっちゃない！とブチ壊してでも「助けようとする」本当の「救い主」になるぐらいの勢いがあったらよかったのにねぇ；

毒（ブラックさ）もない、理不尽さも薄い、怖くも無い、だから危機感がとぼしくて、ハラハラしない、笑えるシーンもないし、親しみの持てるキャラも少ない。
チェシャとヤマネぐらいだったもんな～～気に入ったの。
マッドハッターもキャラは立ってたけど、ありゃジョニデの変てこ演技が良かっただけじゃないかと思えてならんし。

個人的には【チャーリーとチョコレート工場】の方が面白かったし、チャリチョコは２度３度と観たくなる作品。
そして少女の成長がからんだファンタジーな映画なら【コララインとボタンの魔女】の方がおすすめ。
コララインはパンフと原作と特集組んでるムック本まで買ったけど、アリスはパンフすら見送っちゃったもンな……映像技術はすばらしいだけに非常に残念でした。