2008'06.01.Sun
やっとこパパンと1回戦終了。
……なぜ、いつも使ってる小型TVでプレイしちゃったんだろう。リビングにある大型TVでやりゃぁ、大画面でシドを見れたってのに;
(直前セーブがあるので、後日、配線やりなおして堪能する予定)
ドラクロア到達記念に、SSもどきっす。
……なぜ、いつも使ってる小型TVでプレイしちゃったんだろう。リビングにある大型TVでやりゃぁ、大画面でシドを見れたってのに;
(直前セーブがあるので、後日、配線やりなおして堪能する予定)
ドラクロア到達記念に、SSもどきっす。
「追ってこい空賊!」
突き刺すような視線を浴びつつ自動操縦で飛来した真紅のレモラに乗り込んだシドは、操縦席へ沈み込むと手馴れた様子で愛機を浮上させ、ドラクロアの屋上から飛び去る。
見上げているだろう彼らへギルウェガンの方角をしめすように南南西へ飛行する周囲へ、形こそ同じだが鈍い鋼と黒で彩られた軍のレモラが3機、寄り添い並んだ。
「ドクター・シド、ご無事でなによりです。お怪我はありませんか?」
通信機ごしに、ジャッジ隊員らしい力のこもった堅苦しい声が安否を問いかけてくる。
「怪我はないが疲れたわい。そちらをトレースする。西4区の整備港へ向かってくれ」
声をしぼりだしたシドが、操作パネルに浮かぶスイッチの1つに触れると、真紅に彩られていたレモラの外装が、取り囲む軍用と同じ色合いに変化する。
「了解しました」
先行するジャッジ機が西へと旋回すると、シドを載せたレモラも同じ軌跡を描いて追随する。
編隊を組んだ4機のレモラが行く姿は、ありふれた巡回中の姿にしか見えない。
通信を切り、操縦桿から手を離したシドは、ぐったりとシートに沈み込んだ。汗ばむ額を手の平で押さえ、苦しげに目を閉ざした姿を覗き込むように薄暗い影が浮かび上がった。
『手伝おう』
「すまんな、ヴェーネス」
影に動いたそぶりは見えなかったが、シドの表情があきらかに和らぐ。影とも霧ともつかないモヤは、少し離れるとゆるやかに渦巻いた。
『君は石をよく使いこなしている。だが油断はその身を滅ぼしかねない』
「わかっとる。ただ……少しばかり張り切ってしもうたわ」
『それは、あの一団に君の息子がいたからか?』
影からの問いかけにドクターの笑みが一瞬凍りついたが
「そうだ。あんたに隠す意味はない。アレが飛び出していった日も、その後も知っておるあんたにはな」
深々とため息を吐いたシドは、眼鏡を外した目元を手の平で覆い隠す。
「6年……逃げ回っておったくせをして、なぜ今戻ってきおった? 餌におびき寄せられ踊る王女の傍らに、なぜお前がおるのだ……ファムラン」
ジャッジに入隊したのもつかの間、政民としての地位も将来も捨てて帝都から逃げ出した息子。
彼は父の手を逃れ、目をあざむいたと思っていただろうが、シドはその足取りを克明に調べあげ、追い続けていた。
飛空艇を盗み出した顛末も、行くあてがなく行き倒れ寸前になっていたことも、旅慣れたヴィエラに助けられバーフォンハイムで空賊を名乗るようになったことも、バルフレアの名で日銭を稼ぎ、酒と女に現を抜かしていたことも、何もかも。
息子を守ろうと飛空艇の登録と建造記録を消し去り、依頼をでっちあげて小銭を稼がせたこともあった。
そんな己が滑稽で、愚かしくてならなかったが、どうしても見捨てきることができずにいたのだ。
落ちぶれていく姿に、いくど連れ戻そうと考えたか。
ファムランの出奔を知らせてきた情報屋からは何度となく持ちかけられ、ヴェインにも問われたことがある。
だが、押しつけられた未来を拒んだアレに、再び帝都での暮らしを……父の望みに従って生きる道を説いたところで、再び飛び出すだけにすぎん。
ならば、もはやこの手の届かぬ遠い世界へ行ってしまえばいい。
己の悪行を見ず聞くことも無く、飽くことなく続くアルケイディアの侵攻すら及ばぬ未知の領域、イヴァリースの外へ。
それなのに……。
「王女と共に我が前へ立ちはだかると言うのか? それが、わしかお前の死を意味すると、分からぬはずがあるまい。それでも……、それでも破魔石を求めて舞い戻ると言うのか? それ以上の力と未来を捨て去っておきながら……、この愚か者めが!」
ここには居ない相手へ……もう伝わることもない問いかけを繰り返したシドは、額を覆う指先に力を込める。
グロセアエンジンが響かせる低い駆動音だけが満ちていた操縦席に、先行する機を操るジャッジの声が響いた。
「ドクター、まもなく到着します。ご入用の物があれば用意いたしますが」
平のジャッジにしては気の利く問いかけは、すでにヴェインの元に今回の研究所襲撃の報が届いていることを意味している。
「タクシーを回してくれ」
「了解いたしました」
感傷にひたる時間は終わりだ。目元を乱暴に擦ったシドは、腫れぼったくなった瞼を眼鏡で隠した。
港にたどり着くとヴェインが差し向けたタクシーが来ていて、有無を言わさず病院へ連行されることでしょう。
たとえ怪我をしてようが、シドなら「平気だ」と答えるってぇのは、ヴェインにはバレバレでしょうから。
なにしろ4~7人(一応、レダスも含めて)にボコられてますからねー。即入院になってもおかしくないはず。
ヴェインも仕事後に見舞いに来るでしょうなぁ。
(対外的なゴチャゴチャがあるので、すっ飛んで来れない辛さ)
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