しつこく『でしであ』ネタ。
とはいえ、ダラダラと、シドとヴェインが喋ってるだけのネタ。
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「なんじゃヴェイン、あの20周年とかいいながら、すっかり遅れた“祭り”に呼ばれたのじゃなかったのか?」
「どうやらご希望に沿えなかったらしい」
「…やれやれ、わしらは鬼子扱いかね?」
「そういう訳ではないようだ」
「む、手紙か?」
「丁寧に、選考基準についての弁明を送ってきた」
「どれ?
“木枯しに色づいた木々の葉ずれも物寂しさを思わせる頃となりました。
畏国、アルケイディアの、ますます御清栄のこととお慶び申し上げます。”
……“神”からの通告にしては、腰の低い文じゃな」
『申し訳ない』
「あ、いや、別にあんたらオキューリアに当てこすったワケではないぞ。“神”なんぞと名乗る輩に、人間の一般常識を求めるコトが間違いなんじゃが……
“さて、おかげさまでわたくし達の“世界”も、創世20周年の佳節をむかえ、
記念式典として、初代より12を数える各世界よりお迎えしたゲストによる
「特別編」を製作することになりました。
主催を務めさせていただきます、私ども「カオス」「コスモス」2柱および、
総監督を務めます“大いなる意思”により、12の各世界の主要人より
「混沌」「秩序」に準ずるゲストを選ぶべく検討致しました結果、
畏国においては、該当者無しとの結論に達しました。
このような知らせをお届けすることは、誠に申し訳ないと存じます。
その上に、実に厚かましいお願いではありますが、畏国より
「混沌」の属性を内包した戦士を一名、選抜いただけないでしょうか?
事情ご高察の上何卒お聞き入れ下さいますようお願い申し上げます。”
…ふうむ、なるほど。
で、誰を送り出したのだ?」
「武人をご希望とのことなので、9局のジャッジ・マスターを発たせた」
「わはははは、適任適任!
“憎しみに囚われ道を見失った法の番人”以上に“混沌”を体現する者はおるまい!
だが、あんたの弟がよく許したな」
「ふがいない兄の代わりに、畏国の名誉を背負う大役だ。反対はしない」
「泣きを入れたか? めずらしいことだ、その場に立ち会いたかったわい」
「望むなら、いくらでも甘言を聴かせよう」
「くすぐりの言葉なら、この手紙を寄こした神々に向けておくがいい。
てっきり“ラスボスだからカオス陣営で出ろ”と言うて来るかと思うたが、
あんたの本性を見誤らず評価しとるようじゃからな」
「そうだろうか?」
「違うとでも?」
「不選出の原因は“対の不在”とは考えられないだろうか?」
「……あぁ、なるほど、そう…かも知れん」
「私には貴方に託された“石”とヴェーネスの助力があるが、彼には“力を失った石”と“砕くだけの剣”だ。荷が重過ぎるだろう」
「ふぅむ……スペックは悪くないと聞くが、特色の秀でたグループの中に、平凡さで挑むのは無謀か。ダルマスカの王女なら、密かに助力もできるが……」
「いっそのこと、マルガラスが相手なら、思う存分拳を振るう気にもなれた」
「ああ、あの妙な喋り方のアなんとか言う濃い男か? あんたは大事な弟君に妙な輩ばかり近づけるな」
「どちらも役に立つ。…他に選択肢がないのも確かだが」
「大体、あの男は“秩序(コスモス)”側と言うより、あきらかに“混沌(カオス)”側だろう?」
「……それについては黙秘権を行使させていただこう」
「ほほぅ、肯定だな?」
「発言を拒否する」
「なんじゃ、なんじゃ、ツマラン」
「気になるなら“神”に質問状を送ってみてはどうだ?」
「どうせ送るなら、あんたを“秩序”側に加えるよう嘆願しようかのう?」
「やめてくれ」
「どうした、政(まつりごと)で手一杯でそれどころじゃないか?」
「それもある。だが、それよりも貴方が関わらない戦いでは意義がない」
「なんじゃ、わしにも加われと? かんべんしてくれ! 何が悲しゅうて他所(よそ)の世界の戦いにでしゃばらねばならんのだ」
「ははは、そう思うのなら、私を戦地に送り出すのは控えてもらえないか?」
「……むぅ……わかった。……じゃがなぁ…、あんたや“バハムート”には、もっと活躍の場があってしかるべきだと思うのだがなぁ……」
「その時には、シド、あなたも一緒だ。そうでなくては承諾できない。ヴェーネスも同意だろう?」
『わたしたちは“盟友”であり“同志”だ。次があるのなら、シド、共に見届けよう』
「ヴェーネス……。やれやれ、年寄りを引っ張り出すというのなら、足手まといは覚悟せい」