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「きおくのカケラ」分館 銭亀(ギルガメ)用

結局FF14は休止のまま。ヴェーネスに会いたいけど…

2024'11.02.Sat
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2009'02.25.Wed
昔(半年ほど前)に書きなぐった文章を久しぶりに読み返しております。
その当時とはFF12のストーリーに対しての解釈が変わったりしていて、もう使えないネタやら文章がゴロゴロ(w
なんかもったいないなーと思ったので、まだマシなものを貼っておくっす。
めずらしく主人公側の視点からのテキストで、バハムート突入シーン。
プロット段階だったものなので、描写がト書きになってるのは気になさらず。

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「いけません、この戦端の責任は私にあります。殿下はすぐさまお立ち去りください!」焦りの色を見せるオンドール。
 通信機を通して響くアーシェの声も、同じぐらいにうわずっている。
「おじさまと、この艦隊を失ったら、私になにができるというのです?!」
「殿下……」期を読み誤まった自分が悔しいオンドール。「しかし、バハムートの周囲には無数の機雷、そしてヤクトも同然のミストの渦があります、接近は無理です」
アーシェから通信機を奪うバルフレア。「そいつは何とでもなる! あの船は世の中に存在しちゃいけない代物だ。予定していた量のミストを吸収できず、主砲だの全力飛行だので消耗している今なら何とかできるかも知れないが、時間を与えてミストを溜め込ませてみろ、誰の手にも負えなくなるぞ!」
「それは……ファムラン(・ミド・ブナンザ)殿の意見として伺って良いのか?」とオンドール。
ちっと顔をしかめるバルフレア。
「…ったく、バレバレかよ」小言で吐き捨てて、「いち機工士くずれの意見だ。ただな、アレを何とかできるのは俺しかいないだろうよ。設計思想、クセ……。未だに染みついて取れやしねぇ」
「……我々に援護できる事は?」前向きになるオンドール。
「あのデカブツの着艦橋が見えるな。あそこめがけて主砲を連射してくれ。その砲弾の後ろにピッタリ食いついて突入する」
「そんな、自殺行為ですぞ!」
「つべこべ言わずにやってくれ! 他の手なんざない。あんたの戦艦が全部落ちちまえば、この手すら取れねぇんだ!!」
そうこうしているうちにもバハムートは接近してくる。決断するオンドール。
「全艦に告ぐ。敵艦バハムート、着艦橋へ120秒後に主砲攻撃! 復唱せよ!」
混乱しつつも、残る戦艦から復唱が返ってくる。「秒読み始め!」
全速で後退しながらも主砲をバハムートへ向ける解放軍の艦隊。気づいて薄い笑みを浮かべるヴェイン。
弾道の近くで待機するシュトラールの中では、ノノたち機関士が加速にそなえてミストカートリッジなどの準備に余念が無い。
主砲弾と同じ速度で飛ぶこと自体は、シュトラールの能力なら難しくない。ミストの渦もヤクト仕様の浮遊石があるので障害にはならない。問題は主砲が機雷を破壊し切れなかった場合と、猛スピードで突っ込んだシュトラールが、そのままバハムートの装甲に激突してしまうことだ。
「と、いうワケだ。たのんだぜフラン」
軽い口調と飄々とした笑みはいつもどおりに見えるが、風防越しにバハムートを睨むバルフレアの表情は隠し切れない緊張に硬い。
「ふ、いつもどおりね。あなたこそ、しくじらないで」
ヴィエラ族の表情は、こんな時にも神秘的で底知れない静けさに満ちている。
「わぁってる」
操縦桿を握りしめ、常識外れの速度で向かってくる巨大な……巨大すぎる空中要塞を睨みつける。
「勝負だな……親父」
カウントダウンが終わりオンドールが叫ぶ。「撃てーっ!」
残された戦艦から放たれた主砲弾がバハムートの着艦橋めがけて押し寄せる。シュトラールはその背後、少し離れた距離にぴたりと身を隠す。大気を切り裂く砲弾が巻き起こした空気とミストの渦に機体がゆさぶられるが、空賊と相棒は慣れた様子で機器をあやつり、予定した航路をはずれない。
主砲弾が待ち受けていた機雷に激突して轟音と炎の球になって膨れ散らばる。強烈な爆風は近隣に浮かぶ機雷を誘爆させ、あらゆる方向から押し寄せる衝撃波がシュトラールを揺さぶる。
「きゃあぁぁっ!」後部座席にいるパンネロが耐えかねて悲鳴をあげる。アーシェが腕を伸ばしてしっかりとその肩を押さえて安心させる。
「パンネロ! 大丈夫か?!」操縦室の下方にある砲台席に入っていたヴァンが声をあげる。
「だ、だいじょうぶ、心配ないから!」
できる事ならこの2人だけでも、ラバナスタに降ろしてやりたかったが…。苦い思いをかみ殺していたバルフレアの前方で巨大な火球が膨れ上がった。
侵入路を切り開いていた砲弾が何かに触れて弾けたのだ。まだバハムートの装甲までは遠い。機雷だ。
バルフレアは軽く操縦桿を倒し、衝撃波へ向かって真っ直ぐ飛び込む形をとる。
ナイフを思わせる厚みの薄いシュトラールのボディなら、下手に回避するより正面から受け止めた方がダメージが少ない。それでも、襲い掛かってきた衝撃は小型飛空艇をバラバラに砕かんばかりの激しさだ。
パンネロだけでなく、アーシェやヴァン、機関部にいるモーグリたちまでが悲鳴をあげる。
「耐えろ! シュトラール!!」
衝撃波を乗り切ったシュトラールの前方に黒々とした壁面が浮かび上がる。
「抜けた! バハムートに取り付くぞ」
バルフレアの言葉が終わるよりも早く、シュトラールはミストの渦を抜けて巨大空中要塞バハムートの着艦橋へと近づき、それを通り過ごす。
「バ、バルフレア? あそこから入るんじゃ?!」困惑したヴァンの叫びがあがる。
「ノコノコ正面から入ってられるかってんだ…っと!」
着艦橋から舞い上がってきた小型戦闘艇がシュトラールの背後へつこうとする。バルフレアは急激に速度を落としてそいつらを前方へ追いやる。2門ある主砲の一つが素早く追っ手を撃ち抜き、小爆発を起こした戦闘艇は外壁に打ちつけられて四散する。
「将軍、その調子でたのむぜ」
バルフレアの声が届いたのか届いていないのか、バッシュからの返答は聞こえない。
「2機、食いついてるわ」フランの冷静な声。
「ゾロゾロ出てくる前に、突入しちまうぞ!」
「…どうするつもりなの?」アーシェの抑えた問いかけに、バルフレアはちらりと王女へ視線を向ける。
ずいぶんと変わったものだ、と思う。出会ったばかりの彼女だったら、今頃はヒステリックに声を荒げていたんじゃないだろうか。
「天陽の繭から放出されたミストを、人造破魔石に吸収させた時の大型の“吸入口”があるはずだ。そこから入り込むのさ」
 
* * *
 
「敵機、着艦橋から第45ブロックへ向かって上昇中」
バルフレアと名のる空賊の船が着艦橋から侵入してくるものだと察して手勢を向かわせていたヴェインは、オペレーターが告げる敵の予想を裏切る行動に眉をひそめる。
「ここまで上がってくるつもりか? いや司令塔(ここ)の防御の厚さを知らぬわけではあるまい……目的はなんだ?」
シドに見せられたバハムートの構造図が脳裏に蘇る。ヴェインは専門家ではないし、とりたてて機工に強いわけでもないが、必要最低限の知識として、そしてなにより、うれしそうに図面を広げる機工師の熱心さに影響されて、この巨大な要塞の構造を憶えこんだのだ。
空賊の船が向かう先にあるのは……人造破魔石が据えつけられた動力室。
ヴェインの顔から薄く血の気が引く。あの石は……あの石だけは!
きびすを返して発令所から出て行こうとするヴェインの前にラーサーが立ちはだかる。
「…兄上、どちらへ行かれるのですか?」
 一歩も引くものかとの強い意志を浮かべる瞳が、まっすぐ兄を見据えている。ふと、ヴェインの表情がやわらぎ、袖口の隠しから1枚のカードを引き出すと弟の前に差し出した。
「忘れぬうちに、これを渡しておこう」
「……カードキー?」
兄の突然の変化に驚き怪しみながらも、ラーサーは素直にカードを受け取る。何の変哲も無いカードキーで、大きく印刷されたドラクロア研究所の紋章のかたわらに小さくCB59とだけ入っている。
「第1格納庫におまえのための船がある。必要とあれば使うといい」
「わたしの…船ですか? それは……っ?」
ラーサーの問いかけは遠くから響いてくる鈍く重い衝撃音に断ち切られてしまう。
「第36区外壁に重度の損傷、防護隔壁が作動しました」
オペレータの報告に怒りで顔をゆがませたヴェインが空中へ叫ぶ。
「ヴェーネス! 私を破魔石の間へ!」
呼びかけられた中空に黄金色のミストの揺らめきが沸き起こり、その中に灰色の人影のようなものが浮かび上がったかと思うと、ヴェインへ向かって滑り寄る。
ラーサーが踏み出す間もなく、ヴェインを取り囲んだミストの揺らぎは、彼を溶かし込んで霧の様に消えうせた。

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兄上、ヴェーネススペシャルを発動しとるっす(w
物語を手早く進めるために発動させたんだけど、正直、ヴェーネスにはあまり介入させたくないんっすよねぇ。
しかし、ゲーム中も「どう考えてもヴェーネススペシャルだよな」って場面や展開があるので、それほど神経質になる必要はないのかな?

ヴェーネスの能力は
 *破魔石(人造破魔石も含む)がある場所に移動できる
  (本体じゃなく遠見してるだけかも)
 *バリアー
 *たぶん、ミストを打ち消せる
シドの浮遊能力は微妙なところ。
ヴェーネスの力かもしれないし、機工士だから人造破魔石にある“浮遊石としての能力”を引き出せたとも取れる。
もし、人造破魔石の力で浮遊してたとしたら、グロセア機関の小型化、または新たな飛行・推進装置の発明につながったかも知れないんだよなぁ……残念。
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